10月末になり企業になっては決算時期になりました!
決算書を見ていると、コロナ禍の影響が直撃する企業と巣ごもり需要で追い風になる企業で2極化している印象を感じさせられます。
そんな中で、人件費削減のため人員整理の発表を行う企業も出てくるようになりました。経済の動向で仕事も左右される昨今なので、仕方のないことだとは思いますが、退職金について税金がどれくらいかかるかをご存知でしょうか。
今回は、退職金の税金について知識を深めていきたいと思います。
退職金の税金について
退職金には以下2つの意味があります。
- 老後生活のための一時支給金
- 長年の労働のご褒美
そのため、給与所得よりも税制優遇されています。それらの優遇制度を見ていきましょう。
1.退職所得(退職金)の特徴
①.分離課税
他の所得(給料・不動産所得など)と合算せず、退職金のみ税率を乗じて計算します。
累進課税である所得課税においては、合算しないことにより税率が低くなるため、納税額が安くなります。
②.退職所得控除
給与所得と比較して控除額が大きいです。実際の控除額は、次のようになります。
- 勤続年数20年以下の場合 = 40万円×勤続年数
- 勤続年数20年超 = 70万円×(勤続年数×20年+800万円)
③.2分の1課税
退職所得から所得控除額差引後に1/2になります。
2.退職所得の計算
勤続15年/退職金800万円の場合
800万円ー(40万円×15年)✕1/2=100万円
- この100万円が退職所得になります。したがって、これに所得税率5%を乗じた5万円が所得税の納税額となります。(復興特別所得税は未考慮です。)
- 住民税を概ね10%と考えると、住民税額は消費税約10万円になります。
納税合計額は、15万円程度となります。
3.所得の比較
退職所得の特徴を給与所得と比較してまとめると、次のようになります。
給与所得について
- 課税方法:総合課税
- 所得控除:給与所得控除
- 1/2課税:なし
退職所得について
- 課税方法:分離課税
- 所得控除:退職所得控除
- 1/2課税:あり
4.退職金の確定申告
分離課税のため、確定申告は扶養です!
しかしながら、『退職所得の受給に関する申告書』を勤務先へ提出する必要があります。これを提出しないと所得税20%分、源泉徴収をされてしまうため要注意です。
先程の計算例だと、本来5万円で済む所得税が、160万円(800万円×20%)取られるため、税金でかなり引かれてしまいます。
※確定申告すれば、差額の還付を受けられます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、退職金についてまとめてみました。
ポイントは次のようになります。
- 退職金は給料など他の所得と比べて、所得税が大幅に安い。
- 退職金の確定申告は不要。ただし会社へ申告書の提出を忘れない。
今の会社を定年まで勤務することを考えれば、私は30年以上先の話にはなりますが、知っておいて損はしないと感じます。
何が起こるか分からないので、知識武装を行って自分に有利な資金繰りが行えるようにしていきたいものですね。
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今を生きる未来の自分のために、出来ることを考えていきましょう!
それでは(@^^)/~~~。