みなさんの会社では企業型確定給付型年金を採用しているでしょうか。
厚生労働省のデータによると企業型確定拠出年金(以降は企業型DCに省略)の加入者数は2021年3月末時点で約750万人であり、サラリーマンの約5人に1人は企業型でDCに加入しているので、やり方やどの銘柄に投資すべきなのか分からないサラリーマンの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
なので今回!企業型DCの基本からこの制度の問題点と上手な利用方法について紹介していこうと思います。
今回の記事はこのような方におススメです!!
もっと企業型DCを上手く活用したい!
企業型の知識を深めたい!
ぜひ最後まで見てもらって、マネーリテラシーを高めていきましょう!
企業型DCについて
こちらの制度は、年金制度の1つになります。
その年金制度全体がどのようになっているのかと言うと、下図のような階層に分類されます。
その中で会社員の階層を見て行くと3階建ての年金制度となっており、企業型DCはその3階目に位置する年金になります。
そのため加入している方は、老後資金に備える心強い制度になります。
1.企業型DCのメリット
メリットは以下の通り5つあります。
①.企業が掛け金を負担してくれること
こちらの制度は、会社が用意する年金制度として掛け金を会社が拠出してくれます。もちらん会社によって毎月拠出してくれる金額は違いますが、月1万円ほどの金額で拠出している企業が多いです。そしてこの掛け金は給与ではないため、社会保険料が発生しません。保険料の負担が増えない状態でお金を貯められるのは利点が大きい制度のように感じます。
②.会社の事業の影響を受けにくいこと
これは今回の企業型DC(確定拠出年金)ではない、企業年金制度に確定給付型年金という制度があります。この確定給付型年金は言葉の通り、企業から従業員へ将来の給付を確定させる年金制度で、企業が資金の拠出も運用もやってくれる制度でした。しかし会社で運用が失敗して上手く行かなくなるケースや経営状況の悪化により悪影響を受けたりする可能性があります。
それが企業型DCに切り替わることで運用は会社と切り分かることになり、運用しているお金が会社の経営状況に左右されることがなくなります。
会社都合で企業型DCの制度そのものが終了してしまう可能性はあるモノの、掛け金が消えてなくなることはありませんので、安心してください。
③.自分で運用できること
これは会社の運用ではなく自分で決めて銘柄を選定していくものなので、会社側が提携している証券会社の商品の中から自由に選択して運用をすることになります。
④.口座管理手数料がかからないこと
年金を運用するのに通常は口座の管理手数料が発生しますが、その費用を会社側が負担してくれることになります。なので上図の同じ3階部分にあるiDeCoと比較すると、こちらは個人で契約しているので口座管理手数料が発生しています。なのでこれがかからないというのは、大きなメリットになるのではないでしょうか。
⑤.所得控除になること
会社が掛け金を出してくれるものなので、所得控除は本来!関係なのですが、マッチング拠出という仕組みがあります。これは会社が拠出した掛け金にプラスして加入者本人からも給与天引きで掛け金を上乗せできるという制度です。そしてその上乗せした掛け金分が全額所得控除になります。
2.企業型DCのデメリット
デメリットは以下の3つあります。
①.いくらもらえるのか確定していないこと
これは確定給付年金の方は自分の給料に応じて給付される金額が計算されて将来どれぐらい貰えるのかがおおよそ計算できます。しかし企業型DCの方は拠出する最初の金額が決まっているだけでそこからの運用は自分の方針次第なので、資産運用のリスクを自分自身が抱えることになります。ただ企業型DCの投資商品には元本確保型のタイプが必ずあるはずなので、資産運用のリスクは絶対に取りたくないという方はそのような商品を選ぶことも出来ます。
ちなみに!気8行年金連合会の実態調査結果(2019年度決算時点)によると、
- 元本確保型商品 :49.5%
- 投資信託などの商品 :50.4%
ほとんど半々という結果が出ています。これは60歳までの超長期の運用で元本確保型が半分になっていると言うことなので、子供の頃からお金の仕組みを勉強していない結果が出ているように感じます。
②.60歳まで引き出せないこと
これはiDeCoと同じ制度で60歳以降になるまで一切引き出すことが出来ません。確かにお金は貯まりますが、この超絶協力な制約があるおかげで投資世界の基本である流動性を考えると、60歳まで塩漬けで資金がホールドされるのは異常事態です。
会社の制度なので仕方なく有用していますが、個人的にはあまり好きではありませんね。(;一_一)
③.運用用品の選択肢が狭いこと
会社側が用意している制度なので、会社から運営を委託された運営管理機関の商品ラインナップ次第になります。従業員が運用管理機関である金融機関をチョイスすることはできないので、どうしようもない部分になりますね。
3.企業型DCの闇とその対処法
企業型DCを最大限活用するためにこの企業型DCの闇にも触れていきましょう。
①.なぜ企業型確定拠出年金を使うのか⁉
企業型DCを1個とで言ってしまうと、年金のリスクを企業から従業員に付け替えるために生まれた制度です。
企業型DCが生まれる前は確定給付年金があり、給付する年金を確定してしている制度なので、年金が将来に渡って払えるように管理・運用を会社側で担っていたいました。ですが経営状況の悪化、運用成果が悪いと言うことによって企業が負担すべき企業年金債務が膨れ上がってしまって企業年金が減額されてしまうと言うことがこれまでに起こって来た訳です。なのでこの危険なリスクを企業側が抱えていなくて済むように、新しく生まれた制度が企業型DCと言う訳です。
簡単にまとめると、企業が単独でリスクを背負っていた確定給付型年金から、従業員にリスクを分散して持ってもらう確定拠出年金へ制度が移り変わってきたと言うことです。
②.実はコストも従業員に付け替えられている⁉
企業型DCは口座管理手数料がかからないという話をメリットで説明しましたが、しかし会社はこの口座手数料のコストをなるべく負担したくない訳です。そうすると何が起こるかというと、会社はなるべくコストが安い運用管理機関を選べたくなる訳です。その結果、運営管理機関同士で手数料の引き下げ合戦が繰り広げられて、コストの安い運営管理機関と年金の契約をすることになる訳です。しかし運営管理機関からしてみれば、無理な値下げ競争で年金の契約を勝ちとっているだけなので、どこかで儲け代を作る必要があります。それが商品ラインナップの信託報酬になります。つまり商品を購入する側である従業員が信託報酬のコストが高い商品を買うことになると言うことになります。
③.企業型DCを有効に活用するために!!
- コストの一番安い商品を一択にする
私個人の考えですが、コストの低い外国株のインデックスが最もパフォーマンスが高いです。そしてほとんどの割合をこの商品にかけた方が後々パフォーマンスに差が出てくるようになります。
- マッチング拠出はしないこと
所得控除になることは魅力的ですが、60歳以降まで引きだけないことや優良な投資先がないところにお金をつぎ込むのは勿体ないです。個人的に証券口座を作って積立てNISAをした方がずっと良いと思います。
- なるべく自分で運用すること
自分のお金なので定期的にメンテナンスすることがとても重要です。1年に1回以上は投資状況を確認してPDCAサイクルを回していきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、企業型確定拠出年金について以下の内容をまとめました。
- 企業型DCについて
- 企業型DCのメリット
- 企業型DCのデメリット
- 企業型DCの闇とその対処法
当ブログでは、実際に運用してきた結果について紹介した記事も投稿しています。
やっぱり自分のお金はしっかり自分で管理するしかありませんので、お金の知識を少しずつでも高めていき、生活が苦しくならないようにお金を貯めていきましょう。
今後もお金にまつわる情報を発信していきますので、今後ともよろしくお願い致します。
それでは(@^^)/~~~。